犯罪調査シリーズ『レーザービームの依頼』

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犯罪調査シリーズ『レーザービームの依頼』 - 2016.02.02(火)

盗撮調査というものは、実は相当な数の依頼数があります。

一般の方からすればまるで縁の無い世界なので、なんで盗聴や盗難の依頼なんてものがそんなにあるのか不思議でしょう。

しかし、本当に不思議なのはその依頼の中身であり、中にはこんな盗撮調査の依頼が舞い込んで来るのです。

『窓にレーザービームが当てられている』

今回の依頼者は50代になる女性。
夫には数年前に先立たれ、現在は独り暮らしをしているのですが、3年前からある不思議な現象が女性の身の回りで起こり始めたと言います。

それは、夜になると寝室の窓ガラスにレーザービームが当てられるというもの。

これは3年前の夫の命日から延々と続いているそうで、毎晩眠ったあと、はっと目を覚ますと、窓ガラスに赤や青色の光が家の外から照射されているのだと言います。

さらに、依頼人は何度も窓ガラスをあけて、どこから光が照射されているのか確かめようとしたそうですが、窓ガラスを開けた途端に光が消えてしまうそうでした。

依頼内容

今回の依頼内容を簡潔にまとめると、誰が、どのようにして依頼者宅の窓にレーザービームと思わしき光を当てているのかを確認することでした。

さすがにレーザービームを当てる人間なんているのかどうかは別として、実際に調査を行ってシロとなれば、それはそれで依頼者が安心するだろうとの事から、調査員2名で、依頼者が就寝する夜10時から自宅周辺の監視活動を行う事となりました。

調査開始

夜10時、依頼者周辺で待機していた私達の目の前で、依頼者の家の明かりが全て消えるのを確認し、ついにレーザービームを調べる調査がはじまりました。

正直にいって、そんな悪戯をする人間がいるとは思えなかったものの、一応仕事ということで定点観測用のビデオカメラと、一眼レフ、暗視装置を準備し、自宅の監視を続けました。

それから3時間が経過したころ、急に依頼者の寝室の窓が開き、そこから依頼者が顔を覗かせて周囲をきょろきょろと見回しはじめました。

カメラで確認してみると、なにやら携帯電話で誰かと話しながら周囲の状況を窺っています。
すると、こちらの携帯電話も急に鳴りはじめました。
出てみると、今回の調査を担当していた相談員からです。

「どうしたました?」
「いえ、今依頼者から連絡があって、窓にレーザーが当てられたそうなんですが・・・」
「いえ・・・あの、何も見てないんですけど」
「ですよね・・・すいません、ありがとうございます」

そうして電話が切れ、再び張り込みが開始。
すると、1時間後に再び携帯電話が鳴ります。

「どうしました?」
「あの、今依頼者から連絡がありまして、丁度いま、窓にレーザーがあたってるらしいんですけど」

そういわれ、一応、こちらからも再度依頼者の寝室周辺を確認してみますが、窓に明りは何も無し。
周辺から何かが照射されている様子もありません。

「いえ・・・何も確認できません」
「そうですよね・・・ありがとうございます」

結局、このあともこうしたやり取りが2度続きましたが、レーザー光線や、それを照射する人物などは一切確認できないまま朝を迎えてしまったのでした。

レーザー光線の正体は?

結局、調査の結果は一切レーザー光線の正体は判明しませんでしたが、その調査報告書を渡された依頼者は、強迫性神経症と診断され、その治療のために入院したとのことです。

また、入院の決め手となったのは探偵社の調査報告書であり、もしも本当にレーザーが確認できなかったら病院に行くことを依頼者は決めていたようです。

このように、実際に盗撮をされているのか否かに関わらず、こうした依頼をされる方には解決したい問題というのが確実に存在します。

そのためには、やはりはっきりと事実を事実と認められるだけの調査とその報告書が必要であるということも、また悲しい現実の一つなのでしょう。