親が子供のストーカと化す?監視社会が親子関係を壊す理由

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親が子供のストーカと化す?監視社会が親子関係を壊す理由 - 2015.07.12(日)

最新技術を利用した監視システムを使って、子供達を監視することは本当に良いことなのか?

その様な疑問を持つに至ったのは、最近韓国のLG社が発表した『GiZMOPAL』などの、子供様の小型デバイスで、必要な電話機能とGPS装置のみが組み込まれた商品についてのレビューを見てからでした。

この小型デバイスはバンド等を使って子供の身体に装着し、ほぼ24時間子供の居場所を確認する事が可能なのだとか。

しかし、本当に私達はここまで子供達を監視し続けなければならないのでしょうか?

監視教育の弊害

子供達の行動をGPSなどで24時間体制で監視し続ける事は、確かに子供の安全の為には良いかもしれません。

しかし、監視される子供にとっては、どこにいても終始自分の居場所を親が知り続けているのは、さすがに酷な事かもしれませんし、自分が常に監視されている事を、一体子供達がどの様に感じているのかは、未だ研究すらされていない未知の分野でもあります。

監視される事の恐怖

探偵は人を監視する生きものではありますが、決して監視されない訳ではありません。
私もかつてあるトラブルに巻き込まれ、自分の車にGPS発信機を付けられた事がありました。

さすがに一般の人に比べてGPS発信機に対する恐怖心は薄かったですが、その後しばらくは問題が解決するまで定期的に車に発信機が付けられていないかチェックしなければならず、監視される事の恐ろしさをというものを多少なりとも理解しているつもりです。

この恐怖心は、正直いって監視された事のある人間にしか解りません。

監視している側はモニターに映るGPSのログを見るだけですし、監視対象者の気持ちなんてちっとも理解できませんし、そのような想像すらしないでしょう。

これは、当然子供を監視する親と、監視される子供との間でも起きる摩擦でしょうし、両親に対する不信感につながりかねません。

監視する親の気持ち

しかし、親としては子供を監視したい所ですし、その気持ちは十二分に理解できます。
というより、これはもはや親の本能といって良い程の感情、すなわち愛情にほかなりません。

ただ、探偵として厳しい意見を言わせてもらえれば、愛情があれば何をしても許されるという事はありませんし、GPSの意味も解らない子供に情事小型デバイスを持たせる事と、ストーカーが愛する女性にGPS発信機を仕掛ける事も、程度の違いはあれど相手に対して強い不信感や恐怖心を植え付ける結果となります。

また、常に親の目が自分を見ている事を子供が自覚してしまえば、健全な発達を阻害してしまう恐れもあります。

監視活動の魔力

また、監視活動を行う親側にも、大変危険な兆候が見られはじめる可能性も無視できません。
それは『親が子供のストーカーになる』という危険性。

特に理由もなく、暇さえあればわが子の現在位置をチェックすることは幼児期には必要かもしれませんが、それが思春期を超える年齢まで行っていては問題があります。

さすがに、中学・高校ぐらいの年齢の子供はGPSの携帯を無視するかもしれませんが、親が子供の携帯に監視アプリを入れてしまったり、小型のGPS発信機を鞄に仕掛けてしまうような可能性もあります。

ここまでくると、もはや子供へのストーカー行為ですし、行きすぎた愛情はストーカー同様、その相手に理解される訳はなく、むしろ恐怖と怒りを覚えさせる結果を招き、親子関係の崩壊へと繋がるでしょう。

子供の監視はどこまで必要なのか?

監視活動の恐ろしさを知ってるだけに、近年増えつつある子供への行き過ぎた監視活動にはやはりなんらかの制限を設けるべきだと言わざるをえません。

例えば、子供にGPSを設置してその活動をモニタリングする事が許される年齢を定める事や、子供の合意が無ければGPS発信機を持たす事が出来ない様な工夫が必要です。

また、例えGPS発信機を付けたとしても、その親はむやみに子供の現在位置を把握しないようにする心構えが必要でしょう。

行きすぎた子供達への監視をどう変化させていくのか?
それは、わが子のストーカーとなるのか、愛情深い親となるのかという我々大人の前に迫った大きな分岐点でもあるのです