行方不明者調査は難しい?

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行方不明者調査は難しい? - 2016.02.07(日)

探偵業界では毎年多くの行方不明者捜索の依頼がやってきますが、その依頼内容と、世間で騒がれる行方不明事件とのギャップについて、多くの探偵が疑問に思う所でもあります。

では、行方不明事件において、探偵たちは何に疑問を持っているのか?

実際に行方不明調査に関わって来た人間として、今回は日本の行方不明者調査の問題点を提示させて頂きます。

20歳以上の失踪者は捜索が行われない?

世間一般で失踪したことで事件化するのは未成年者の失踪が殆どです。
これには当然誘拐事件の可能性などもあるので、警察も大々的に公開捜査などを行って早期発見を目指します。

では、もしも失踪者が未成年者でなければどうなるでしょう?

答えは、大半の失踪者は警察は捜査を行いませんし、未成年者であっても、素行に問題がある場合にも一時的な家出とみなされ、捜索が行われることはありません。

そして、探偵社に持ち込まれる依頼というのは、そうして警察が積極的に捜査に乗り出さなかった案件ばかりとなるのですが、もしも警察がもっと捜査をしてくれれば、その命が助かったのではと思わずにいられない失踪者達も存在するのです。

事件性が無ければ、警察は本当に捜索しない

警察が事件性が無ければ捜査を行わないというのは本当ですし、個人的な経験でいえばたとえ事件性があったとしても、素行に問題のない未成年者以外にたいして本格的な捜査を実施することは極めて稀です。

例えば、今にも自殺の恐れがある失踪者であれば、警察に特別行方不明者の届け出を行えば警察がちゃんと探してくれると思っている人がいるかもしれませんが、届出を出したからといって積極的な捜査をしてくれる事は大変稀です。

特に自殺の可能性が高い失踪者というのは、警察は殆ど対応してくれません。

こちらからお願いをして通信会社に発信記録をもらったり、口座やカード類の調査をお願いしなければいけないというのが通例です。

警察が自殺者に対して積極的でないわけ

警察官の仕事というのは、決して人が死ぬのを防ぐものではありません。

むしろ事件が発生した後、その犯人を逮捕することが目的であり、それによって市民の安全を守ることこそが第一に優先しなければならない任務であります。

しかし、こうした事情がある以上、警察にとっては行方不明者や、その結果自殺の恐れがある人間に対して人員を割くことは難しいです。

なにせ、自殺者というのはたった一人で自らの命を、自らの意思のもと断つわけですから、それを止める事が市民を守ることとは直結しないわけです。

そして、警察はけっして命を守るための仕事ではありません。市民の安全を守るのが仕事なわけですから、自ら死のうとする市民を止めるということよりも、他の市民に危害を加えようとしている犯罪者を止める方が大切だからです。

探偵社の役割

探偵社の役割は、警察が担当できない行方不明者の捜索などを請け負う事です。

それも、事件性がないながら、自殺の可能性があるような場合には、現在のところ探偵社に依頼をして捜索をしてもらう位しか捜索の方法が存在しません。

もしもこれが探偵社ではなく、国が率先して行方不明者の捜索に乗り出してくれれば、きっともっと多くの行方不明者を探しだすことが可能でしょうが、民事不介入の原則も邪魔して、失踪によって自殺をする人間を止めるだけの制度は未だ整っていません。

しかし、やがて時代が進めばきっと探偵がいなくとも、多くの行方不明者や自殺者が救われる日がくるかもしれません。その時は、探偵は複雑な気持ちになるでしょうが、救われた人間の数を見て笑顔でその身を引くのが望ましいでしょう。