素行調査物語『陰を歩く』〜神様〜その1

HOME > ニュース > 素行・行動・身辺・結婚調査 > 素行調査物語『陰を歩く』〜神様〜その1

素行調査物語『陰を歩く』〜神様〜その1 - 2015.09.13(日)

『素行調査』という言葉を聞いた事がある人は殆どいないかもしれません。

私も、探偵の世界に入るまでは聞いた事もありませんでしたし、素行という言葉がそもそも何なのかまるで解りませんでした。

そもそも素行調査とは『相手の普段の行いを調べる』調査全般を指す言葉であり、この中に浮気調査、社員調査、信用調査など、様々な調査が含まれる事になります。

そのため、素行調査の幅は大変広く、浮気調査や犯罪調査よりも遥かに幅広い対象者を調べる事となるのです。

『神様』

私が初めて行った素行調査は、ある女性の普段の行いを調べるというものでした。

依頼者はその女性の母親でしたが、その母親が言うには「女性が最近ある宗教に入信したのだが、そこから家に恐ろしい電話が掛ってくるようになった」というのです。

“お宅の娘は人の迷惑というのを考えなのか!”
“もういい加減困るから家に来ないで頂戴!”

どうやら、女性は自身が入信した宗教の勧誘を頻繁に行っているらしく、その行為は親戚縁者までに及んでいる様子でした。

これに心配になった母親は娘を問い詰めましたが、娘は母親に反発。さらに、その口論が元となり家を出てしまったといいます。

そこで、娘の身を案じた依頼者は、現在の娘の生活と、宗教の勧誘をどの様に行っているのか、また、娘は一体どんな宗教に入ったのかを調べようと考えたのです。

調査開始

家出した娘(対象者)の住所地は郊外の寂れた商店街の裏手にあり、すぐ近くには、対象者が入信したという問題の宗教施設がありました。

この宗教施設の名前は明かせませんので、仮に『A会』としておきます。
A会の宗教施設はコンクリート製の二階建ての建物で、居住エリアなどはなく、全ての信者が通いでやって来る一般宗教法人の一つでした。

A会はそれほど大きな宗教団体ではありません。原型はキリスト教の教義を元にしており、『儀礼』と呼ばれるミサが毎週水曜に行われたり、『祭本』と呼ばれる聖書も存在しています。

事前調査によれば、どうやらこの『祭本』を配って回る典型的な宗教勧誘が行われており、信者を増やす事によって信者の位が上がるという『ネズミ講』式のシステムを取り入れている組織のようでした。

そのためか、宗教法人の発足からまだ数年しか経っていないのにも関わらず、娘さんを含めて100名近くの信者がおり、A会の近隣住民の話によれば、毎朝十数名の人間が教会に集まり、そこから勧誘活動に向かうとの事でした。

その為、まずは対象者の自宅から張り込みを開始する班と、教会で待ち伏せをする班に分かれて調査を行い、女性の普段の行動を探る事にしました。

布教

調査開始日の朝5時、女性の住むマンションに到着した途端、すでに路上を歩く対象者の姿が確認できました。

間一髪のタイミングで間に会いましたが、事前調査で知りえた集合時間は朝の9時。教会に行くにしては早すぎます。

それに、女性の服装は上下ジャージ姿で、勧誘に行くには少しラフ過ぎます。

朝の散歩にでも向かうのか?
とにかく尾行をする事となり、私は徒歩で彼女の後を追いかける事になりました。

幸い、対象者はランニングなどは行わず、そのまま歩いて商店街の方へと向かうと、そのまま商店街を抜け、あるマンションの中へと入って行きます。

女性はマンションのインターフォンを押すと、しばらくしてマンションから男性が現れました。
この男性も対象者と同じく上下ジャージ姿で、二人は幾つか言葉を交わした後マンションを出ると、そのまま公園へと向かっていきました。

つづく