素行調査物語『陰を歩く』〜神様〜その2

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素行調査物語『陰を歩く』〜神様〜その2 - 2015.09.14(月)

日課

二人が向かった公園は、小さな池のある遊歩道付きの公園で、二人はその公園の周りを談笑しながら軽いジョギングを行いはじめました。

恐らく、この二人にとっては日々の日課なのでしょう。二人仲良く歩く姿は、まるで夫婦の様にも見えました。

その公園で一時間程運動した二人は、そのまま公園で別れ、対象者は自宅へ戻りました。
それから1時間程した後、今度はジーンズにシャツ姿で玄関から出てくると、今度は予定通りのA教会の方向へと向かいました。

A教会に到着すると、すでに何名かの信者が教会の中へと入って行く所で、それらの信者に挨拶をしながら対象者も教会の中へ入りました。

そして午前10時頃、手に『祭本』らしき物を持った対象者が現れましたが、その隣には、朝一緒にジョギングをしていた男性の姿がありました。

どうやら、この男性も同じ信者であったようで、二人共に布教用の道具が入った紙袋を手に、男性の車へと乗り込みました。

布教

車は15分程走り続けると、閑静な住宅街の中で止まりました。

車から降りた男性は地図とペンを持っており、周辺を見回したあと、助手席に乗っていた対象者に声を掛けて、いよいよ布教活動が始まりました。

この宗教の布教活動は、基本的には2名体制で行う訪問式でしたので、布教の様子は遠くからでも観察する事ができました。

布教の様子は、まずインターフォンを押して話しかけた後、玄関の扉を開けた相手には対象者から話しかけます。簡単な説明が済み、相手から質問が来た場合には、後ろで構えていた男性が対応。そしてA教会の冊子などを手渡し、最後に名刺らしきものを手渡します。

恐らく、かつてはこの名刺に実家の電話番号が書かれていた為、依頼者の元に電話が殺到してしまったのでしょう。

その後も対象者と男性は布教を続け、それが終わったのは午前12時前。対象者達は教会に戻ると、そのまま夕刻の5時まで施設から出てくる事はありませんでした。

その後、調査は1週間に渡って行われましたが、この女性が働いている様子は見受けられず、一日のほぼ全てを布教活動に費やしている様子が窺えました。

また、対象者の公私共に行動をしていた男性については、1度対象者がこの男性宅に泊まっていた様子が窺えた事からも、どうやら教会内で出会った恋人同士であると思われました。

その後

この調査報告を渡された後、どうやら依頼者は娘さんとの話し合いをする事にしたようですが、宗教の事に関しては深く追求しない事に決めたようでした。

その頃には家の電話が鳴る事も無くなっていたのかもしれませんが、恐らく一番の決め手となったのは、宗教を通して知り合った男性と喋る娘の顔が、幸せに満ちていた事かもしれません。

新興宗教というものは、鷹揚にして胡乱かつ怪しげ、誰が聞いても『きっと信者は騙されているに違いない』と訝しまれる存在です。

しかし、それによって幸福を得る人間というのはほぼ間違いありません。ネズミ講式のあやしげなシステムを取り入れていても、人が『幸福である』事にこだわり続ける以上、それは問題では無いのかもしれませし、それは娘への追及をやめた母親の姿を見ても、同じ事が言えるのかもしれません。

現在でも、この対象者が入信していた宗教法人は存在しており、静かにその規模を拡大し続けていますが、もしかすると、今頃は対象者だけではなく依頼者の母親も娘と同じ様に入信し、幸せという姿無き蝶を追い求めているのかもしれません。