ストーカー対策の要、「危険度チェックシート」は本当に有効なのか?

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ストーカー対策の要、「危険度チェックシート」は本当に有効なのか? - 2015.07.02(木)

ストーカー被害に遭っている人物の最大の問題は、被害の自覚が薄かったり、周囲のその被害の程度を正確に訴えられない点です。

なぜなら、ストーカー行為は相手の愛情表現の一環である事も多く、『放っておいても問題無い』と被害者自身感じてしまったり、その行為を見聞きした第三者も同様に感じる事が多いのです。

そのため、かつては警察でもストーカー犯罪の被害レベルを判断する事は大変難しかったのですが、現在はこの問題を独自に作成したチェックシートなどを使用して解決する対策を打ち出し始めています。

ストーカー・DV対策室

ストーカー行為の取り締まりで実績を上げつつある兵庫県警や大阪府警では、『ストーカー・DV対策室』と呼ばれる、ストーカー犯罪専門の部署が存在します。

この相談室は24時間体制で相談を受け付けており、日夜ストーカー被害に関する相談が寄せられているのですが、そのストーカーの危険度を測るために、兵庫県警では『ストーカーチェックシート』と呼ばれるチェックシートを使用して、ストーカーの危険度を客観視し測定する試みが行われています。

チェックシートには約44の項目があり、つきまといの頻度、たち塞がりなどの通行妨害の有無や、無言電話などの各項目がチェックされた回数によって、そのストーカーの危険度を判断し、それに合わせた対応を取るようにしています。

このチェックシートが有効な理由は、ストーカーか否かの判断をより早急に行えるようになった事で、ストーカー加害者がその行為をエスカレートするまえに警告や検挙を行う事が容易になった事です。

また、ストーカー被害者が、被害申告を上手く出来ない場合にもこのチェックシートさえあれば、項目ごとに質問し、それに「はい」か「いいえ」で答えてもらうだけで危険度が判断できる事も注目すべき点です。

チェックシートだけでは対応できない問題

チェックシートを用いて危険怒を判断するような手法は、NPO法人や医療機関、探偵業界ではかねてより独自で行っていました。そのため、警察でも一度はチェックシートが導入されたのですが、その後は殆ど普及していません。

その理由は、ストーカー加害者がかつてよりさらに多様性に富んできているため、チェックシートだけでは危険なストーカー被害を見落とす可能性が高い事が上げられます。

また、インターネット上でのサイバーストーキングが頻繁に行われる様になった為、従来のチェックシートでは対応しきれないストーカー行為が増えてきている現状も上げられます。

チェックシートは有効なのか?

ストーカー被害を未然に防ぐため、被害の相談を受けたり、それを受けて現場で活動する捜査員、調査員、相談者、ケースワーカーなどにとっては、やはり危険度を客観的に測定できるチェックシートの存在は心強い味方になります。

なぜなら、ストーカーの危険度を判断するには、ストーカー犯罪に対する膨大な知識が必要になるため、ストーカー対策のための専門の人員を育成するためには、膨大な時間と資金が掛ってしまうためです。

しかし、チェックシートさえあれば、専門家でもなくてもその危険度を判断する事ができるため、より多くの人員をストーカー対策に回せるというメリットがあります。

しかし、チェックシートでの判断は、新奇性の犯罪に対する対処が行いにくいというデメリットもあるため、今後は総合的に危険度を判定できるストーカー犯罪の専門家を育成するとか、国内でのストーカー犯罪に関する研究速度をより高める必要があるでしょう。