探偵社であったトラブルから見る業界内の対策と必要性

探偵社に対する苦情は、大抵の場合国民生活センター（消費者センター）に寄せられる事となります。

そこで、探偵業の事をさらに深く知るためにも、探偵社と依頼者との間にどの様なトラブルがあるのかを、国民生活センターに寄せられた苦情を元に覗いて行きたいと思います。

アダルトサイト関係

実は国民生活センターに寄せられる苦情の大半を占めるのは、『アダルトサイトの料金請求のトラブルを解決する』という依頼内容によるものです。

実際に国民生活センターに寄せられたものは次の様なものでした。

『アダルトサイトを見ていた所、法外な料金を請求された為、料金請求を取り消す事が出来るという探偵業者に依頼したものの、怖くなったので解約したい』

『スマートフォンを利用してアダルトサイトを閲覧した料金を請求され、インターネットで消費者救済を謳ったサイトに相談した結果、その業者が探偵社であったため、後日契約書が自宅に送られてきた』

正直に言って、探偵社で働いている調査員からしても『一体何の事だ？』と首をかしげたくなるぐらい聞いたことの無い依頼ですが、どうやら探偵業者を語ってトラブル解決詐欺を働いている人間がいるようです。

それに探偵社の仕事は『依頼者からの依頼を受けて調査を行う』事のみですから、問題の解決や示談交渉などは、弁護士のお仕事でしょう。

それにしても、こうした詐欺に引っ掛かってしまう気持ちも解らなくはありません。

アダルトサイトを見て詐欺に引っ掛かってしまったなんて、家族にも警察にも相談できませんからね・・・

調査内容に不満を感じる

国民生活センターでは以下の様な相談が時折見受けられます。

『調査料金を支払って実際に調査をしてもらったものの、調査内容の報告が一切ないため、調査そのものを解約したい』

さすがにこれは探偵社の責任ですね。

調査を行う時には、やはり調査中でもある程度の経過報告は必要ですし、最終的には必ず報告書を提出して、どのような調査を行ったのかを依頼者に説明しなければなりません。

また、悪質な探偵業者は始めから契約書に『報告書は作成しません』といった内容を盛り込んでいる所もあるので、「契約時には必ず途中経過を報告していくれるのか？」「報告書は何時までに提出できるのか？」などを書面で確認する必要があります。

調査を途中でやめたくなる

探偵社に調査を頼む事は、出来る事なら誰でもしたく無いはずですが、実際に調査契約をした後に心変わりをして、調査の中止と全額返金を望む依頼者も居ます。

確かに、事前に調査のリスクなどを確認しないで契約を結んでいたとしたら、探偵社が悪いでしょうね。

しかし、そのリスクが説明されていたのにも関わらず契約を結んだ後、契約解除を願い出ていたら行き過ぎたクレーム行為かもしれません。

探偵社はどのように依頼者と付き合っていくべきなのか？

この様なクレームが出ている以上、いかに探偵業界が側が誠意のある対応をしていても、なんらかの予防策を取らなければ問題が悪化するのは間違いないでしょう。

特にトラブル解決業務を請け負う探偵社は、業務外の仕事まで探偵業として行っている節があるので、探偵業法で定められた仕事のみを行う様徹底した指導が必要かもしれません。

また、契約に関するトラブルを避けるためにも、探偵社は必ず重要事項を説明し、調査を行うリスクなどもきちんと説明しなければなりません。

経験が不足していたり、しっかりと指導する立場の人間が居ない個人事務所や、業績を伸ばす事に必死な探偵社は特にトラブルに陥りやすいので、しっかりと法律を学び、依頼者目線で探偵社を経営していくスタンスを常に取り続けなければなりません。