浮気言い逃れの定番『婚姻関係の破綻』とは?

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浮気言い逃れの定番『婚姻関係の破綻』とは? - 2015.03.21(土)

離婚裁判において、浮気や不倫の証拠を提出された相手はどうすると思いますか?

きっと、多くの人は『事実を認める』もしくは『浮気ではない主張をする』とお考えかもしれません。

しかし、実は裁判で最も多い反論が『すでに婚姻関係は破綻していた』という主張なのです。

さて、このあまり聞きなれない『婚姻関係の破綻』とは一体なんでしょうか?
今回はこの『夫婦関係の破綻』について説明していきたいと思います。

婚姻関係の破綻とは?

婚姻関係の破綻、夫婦関係の破綻と、言い方は様々ですが、簡単に言うと
『夫婦の間はすでに壊れており、実質夫婦らしい共同生活を行っていなかった』
という状態です。

この状態としてまず挙げられるのが『別居』や『家庭内別居』または『セックスレス』などで、一般的には他者からみて夫婦と思われないような生活を送っていた場合にこれが適用されます。

なぜ婚姻関係の破綻で浮気が崩せるの?

実は平成8年のある裁判で、このような判決が下りました。

「二 甲の配偶者乙と第三者丙が肉体関係を持った場合において、甲と乙との婚姻関係がその当時既に破綻していたときは、特段の事情のない限り、丙は、甲に対して不法行為責任を負わないものと解するのが相当である。

けだし、丙が乙と肉体関係を持つことが甲に対する不法行為となる(後記判例参照)のは、それが甲の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為ということができるからであって、甲と乙との婚姻関係が既に破綻していた場合には、原則として、甲にこのような権利 又は法的保護に値する利益があるとはいえないからである。

 三 そうすると、前記一の事実関係の下において、被上告人がaと肉体関係を持った当時、aと上告人との婚姻関係が既に破綻し ており、被上告人が上告人の権利を違法に侵害したとはいえないとした原審の認定判断は、正当として是認することができ、原判決 に所論の違法はない。

所論引用の判例(最高裁昭和51年(オ)第328号同54年3月30日第二小法廷判決・民集33巻2号303頁)は、婚姻関係破綻前のものであって事案を異にし、本件に適切でない。
論旨は採用することができない。」

裁判の内容を引用させていただきましたが、これだと少し難しいかもしれませんね。

簡単に解説すると、

『不倫相手が夫と肉体関係を持った当時、夫と妻の婚姻関係は既に破綻しており、不倫相手が妻の権利を違法に侵害したとは言えず、これは不法行為とは認められない』

つまり、『これは浮気じゃなくて恋愛です』という事になった訳です。

婚姻関係の破綻は証明が困難?

これを読んだ浮気者の方々は『バレないうちに別居して、別居中に付き合ったと言い張れば良いのか!』と、邪な考えを起こしているかもしれないので、一応忠告しておきます。

実は、この婚姻関係の破綻で浮気が認められなかった事は『殆どありません』。

なぜなら、婚姻関係の破綻で浮気の証拠を破るためには、2つの条件があるからです。

1婚姻関係が破綻している事を証明しなければならない
2婚姻関係の破綻は、夫婦双方が破綻している事を認めていなければならない
3浮気が別居前から行われていた事を証明されてはならない

まず問題となるのが1番。
別居中とはいっても、お子さんが居れば当然送り迎えや休日に遊ぶ事もありますし、家族で食事をすることもあるでしょうが、これらの行為は全て破綻していない証明になってしまいます。

そして、最大の難問が2番。
相手が「夫婦関係は破綻していない」や「夫婦関係を修復するつもりであった」と主張されてしまうと、裁判官はまず夫婦関係の破綻を認めません。
つまり、破綻している証拠を相手が容易しなくてはならないのですが、それは殆ど不可能です。

そして3つ目ですが、浮気調査の結果、相手との接触が別居より前から行われていた事を証明する証拠が見つかる事も多々あります。
これさえあれば、もはや鬼に金棒。言い逃れはもう不可能でしょう。

015294まとめ

婚姻関係の破綻を利用して、浮気を正当化しようとする人は沢山いますが、社会に良心がある限りそう簡単にいきません。

自分の主義主張の正しさを信じて、しっかりと慰謝料を請求してあげましょう。