未解決事件『坪野鉱泉女性失踪事件』

日本で起きた未解決失踪事件の中には、かなり事件性が高いものがあります。

中でも、富山県にある廃墟『ホテル坪野』の跡で女性二名が失踪した事件は、その最たる例でしょう。

事件発生からすでに十年以上が経過しましたが、いまだその真相がわかっておらず、なんらかの事故か事件に巻き込まれた事は間違いないものの、遺体は愚か、生死の確認すら、その生死すら確認されていません。

事件概要

事件が発生したのは1996年5月5日。

氷見市内に住む会社員の女性Ａさん（19歳）と、元スーパーの店員のＢさん（19歳）の女性2名は、その日魚津市内のホテル坪野に肝試しに行くといって家を出た後、その深夜に友人に『今魚津市に居る』とポケベルに連絡したのを最後に、忽然と姿を消してしまいました。

彼女達は依然、若者達が集まる事で知られた新湊市の海洋丸パークで知り合った友達から、ホテル坪野跡が有名な肝試しスポットである事を知ったと言われており、行方不明になる以前にも一度ホテル平野跡を訪れていました。

その日も、彼女達はまず海洋丸パークに車で向かい、友人と会話をしています。

その後、午後10時頃には富山市と滑川氏を跨ぐ国道8号線を魚津方面へと走る彼女達の車が目撃されており、その後、友人にポケベルを入れたものと見られています。

坪野鉱泉の噂

女性達が向かった魚津市のホテル坪野跡地（通称：坪野鉱泉）は肝試しスポットとして知られており、週刊誌でも紹介されるほどの人気スポットでしたが、それと同時に暴走族の溜まり場としても知られていました。

ホテルは事件から十年前にはすでに倒産しており、建物の所有者はそのままホテルを放置。
結果、周辺は荒れ果て、次第にこの場所で暴走族が集会を開くようになり、それと同時に周辺では車の窃盗事件が相次ぎ、神社の社が火をつけて燃やされるなどの悪質な事件が相次ぎました。

廃墟の荒廃化も進み、ホテル跡は殆どの窓ガラスが割られ、建物内部は落書きとガラスの破片で溢れていました。

その後、ホテル所有者と住民代表の話し合いによって、廃墟を囲むようにバリケードが設置されましたが、暴走族の喧騒はそれでもやまず、バリケードには至る所に穴が開けられました。

このような場所と言う事もあり、この女性二名は暴走族達によって拉致されたのでは？という疑いが濃厚で、同時の警察も暴走族をはじめ、女子二名と交友関係のある男性十数人に対して集中的な取り調べを行っています。

捜査もむなしく発見ならず

その後、富山県警は二度に渡って大規模な捜索活動を行っています。

国道8号線から廃墟に向かう全てのルートを捜索し、山岳警備隊とヘリコプターを使って周辺の捜索をおこないましたが、結局女性達が乗った車は発見されませんでした。

また、女性達の自宅を捜索した他、交友関係も徹底的に洗ったようで、かなり寝入りな聞き込みが行われたようです。

しかし、結局有力な情報を得ることは出来ず、失踪した女性二人はいまだ発見されはいません。

北朝鮮拉致の可能性

実は富山県魚津市の沿岸部は、北朝鮮によって拉致されたと目される『特異失踪者』が多数存在しています。
魚津市内の沿岸部だけでも、その数なんと11件ー。

さらに、富山県内では北朝鮮の工作員が実際に逮捕された事件や、密入国に使われた水中スクーター、さらに何件かの拉致未遂事件が発生しており、90年代には間違いなく北朝鮮工作員の活動拠点となっていました。

また、失踪した女性二人が溜まり場としていた海洋丸パークでも北朝鮮による拉致被害者と思わしき失踪が出ており、その際にも車ごと完全に行方が解らなくなっています。

まとめ

日本には未だ解明されていない数多くの失踪事件がありますが、その中で北朝鮮が関与した可能性が高いと思われるものは、未解決失踪事件の三分の１を埋めるとも言われます。

そして、これは行方不明事件の調査に関わる探偵業界にとっても無視できない現実でもあるのです。