行方不明になった少女が１３００キロのアメリカ横断を決行

今回ご紹介するのは、なんとわずか十一歳の少女が行方不明になったあと、1300キロものタクシーの旅をしたというアメリカで実際におきた行方不明事件です。

11才の失踪

その日の朝、少女の祖母がいつもの通り少女の寝室に向かうと、部屋に少女が見当たらない事に気が付きました。さらに、少女の勉強机のうえには彼女の筆跡で『モンタナへ行きます』という手紙が残されていました。

少女が家出したことを知ると、父親はすぐさま警察に通報。警察は誘拐事件の可能性もあるとして捜査に踏み切りました。

ちなみに、アメリカでの児童の失踪事件の半数は誘拐であるともされており、例え置き手紙があろうとも、犯人が残した偽の証拠かもしれないとして、必ず大規模な捜索が行われるようになっています。

しかし、今回は誘拐事件ではありませんでした。

少女の恋心

実はこの少女、なんとフロリダ州にいる16歳の彼に会うために家に出たのでした。

この少年とは2年前に家族でフロリダに旅行に出かけた時に知り合った少年で、その後はインターネットを通してやりとりとを続けながら、恋愛関係に発展したのだとか。

そうして、どんどんと恋心を募らしてしまった少女は、ついに彼に会いに行く計画を立て始めたのです。

そして、失踪の夜。
少女はこっそりと起きると、事前に確認していたクローゼットの中の祖母のへそくりを拝借。そのまま表に出てタクシーに乗り込み、フロリダ州ジャクソンビルまで一直線に向かい始めたのです。

いやはや、本当に恋する乙女ななんとやら。この16歳の彼も、まさか本当に会いに来るとは思っていなかったようで、少女の家出に関しては何も知らなかったようです。

少女の発見

この少女を乗せたタクシー運転手は、少女が濃い化粧をして、上下ウェット姿であったことから、まさか11才の女の子だったとは思いませんでした。

また、少女がすぐにフロリダまでの大金を見せた事から、すっかりこの少女の事を信じ込んでしまい、そのハイウェイをつっきり、フロリダまで向かってしまったようです。

しかし、通報を受けてから捜査を続けていた警察が、携帯電話の履歴を確認した所、このタクシー会社に電話していた記録を発見。

すぐにこのタクシー会社に連絡が入り、少女を乗せたドライバーがついに真実を知る事となりました。
少女が家出中であることを知ったドライバーはアトランタで停車。そのまま、家族が迎えに来るまで待つ事となったのです。

そして、アトランタで少女が保護されている事を知った両親は、約9時間もの時間をかけてアトランタまで向かい、無事少女と再会することができたのです。

少女の本音

保護された幼女が後に語ったのは、家出直後の恐怖心と、どれほど自分が恐ろしい事をしたのかという後悔の念でした。

少女は家出をした直後、すぐに自分の行為の過ちに気が付きましたが、もはや自分を止めることはできず、流れにまかせるままにタクシーに乗り込んでしまったと言います。

そして、失踪した少女の父親は「彼女がした過ちは過ち、とにかく、彼女が帰って来たのだからそれでいい、今はただ彼女を愛したい」と述べているそうです。

また、この少女を乗せたタクシー会社は、少女から受け取った料金の全額を返金したとされます。

まとめ

家出騒ぎによって、家族の絆が深まった良い例でしたね。

しかし、少女が一人でフロリダまで向かう最中に無事であったことは、かなり奇跡的な事でしょう。

命の危険もある家出ですから、絶対に油断だけはしてはいけませんし、早めの通報を心がけましょう。