知らない他人に気が付く苦労？素行調査でよくある事まとめ

素行調査とは、疑わしい相手の普段の仕事ぶりや生活状況を確認する事を目的としていますが、調査項目のうち、浮気調査を含まない素行調査となると、それだけに奇妙な依頼が格段と増えてきたりします。

対象者に同情しはじめる

朝起きて、会社に行き、残業をして帰宅。
その翌日も再び同じ時間に起き、同じ時間に会社に行き、残業をして帰宅。

さらに翌日も、その次の日も、その次の日も次の日も、延々と繰り返されるルーティンワークを見続けていると、退屈さよりも同情心や憐れみを覚える方が先という探偵は非常に多いです。本当にみなさん御苦労さまです。

世の中の苦労を知る

探偵という仕事は世間でも特殊な仕事ゆえに、世間の常識とは大きくかけ離れた場所に住んでいいます。

しかし、素行調査を通して見る世の中というのは、本当に苦労の連続なのだと思い知らされます。

例えば、あるサラリーマンの一週間の行動を監視する場合。

一見、綺麗な身なりをして、いかにも余裕がありそうな『デキル男』風の男性でも、その日々がいかに努力の連続で出来ているのかを見る事が出来ます。

出勤後、会社で事務処理をしたのち、すぐにルート営業に出かけ、取引先では笑顔を絶やさず、常に頭を下げながら仕事をしている姿を確認。

しかし、一旦車に戻るとすぐに顔に疲れが浮かび、険しい顔で忙しく携帯電話を掛けながら次々と取引先を回ります。

そしてお昼になれば、近くのコンビニに立ち寄り、妻が作ったお弁当を食べ、一時間ほど休憩したら、また再び次の取引先に向かいます。

そして夕方、会社に帰ってもまだ仕事が続き、ようやく家に帰るのは夜のは8時。
疲れ切った顔で車に乗り込み、マンションの駐車場に車を止めると、肩を落としながら家の中へと帰っていくのです。

その様子を撮影しながら、心の中で一言。
「おつかれさま」
本当に、この世中で頑張っている人は沢山いるのです。

人は他人の本当の姿を知らない

素行調査を依頼する人は、企業の社長さんや、対象者の妻、もしくは夫や義理の父母などが殆どを占めているのですが、そうした依頼があるという事は、多くの人達が人の本当の姿を知るチャンスが少ない事を思い知らされます。

そして、そんなチャンスがあるのは、恐らく尾行や張り込みを行う職業──探偵ぐらいのものかもしれません。

「人は外見が全て！」という人もたまにいますが、世の中には外見で判断できないような苦しみや努力を重ね続けている人が本当に沢山いるのです。

できるだけ報告書は良い事を書いてあげたくなる

もしも怪しい行動が無ければ、こうした素行調査の報告書は出来るだけ良い事を書いてあげたいと思う調査員は本当に多いです。

その人の日々の隠れた努力や苦労を見れば、そう思うのも当然。

しかし、調査の報告書はそうした主観的要素を多く含ませて書く事は禁じられていますので、あくまで淡々と対象者の行動記録を書いていく事となります。

まとめ

素行調査に携わる調査員は、世間の裏というものをあます事無く見ていくことになります。

そして、世間や社会の裏にあるものは悪いものばかりではない事、陰に隠れた努力や苦労、悲しみや優しさや愛情など、本当に沢山の美しい人間の姿があることを知る事となるのです。

世間というのは、私達が想像する以上に本当に広くて深いものです。

もしもこれを読む人の中で世間に嫌気がさし「社会なんて最悪だ」と感じて居る人は、一度その裏側を覗いてみると良いでしょう。
人の裏に潜むものが、果たして闇ばかりのか？

その答えは、自分の目で確かめてみるしかないのですから。