ストーカー化しやすいDV夫への対策とは

「離婚した夫から妻への暴力」が最近問題となっていますが、これも決して泣き寝入りする必要はありません。
きちんと対策さえ行っていれば、過激なDV夫から自分やお子さんの身を守る事が可能です。

DV防止法を活用する

もしも離婚後にDV被害を受け続けている様なら、DV防止法違反として訴える事により相手に次の様な措置を取る事が可能です。

・被害者への接近禁止令

DV被害者に対する接近禁止令は離婚後でも可能です。
禁止令が出ると、被害者の住む家、勤務先、学校などの周囲を歩き回ったり、建物の中に入ることを禁止されます。

ただ、日本では接近禁止令を具体的な距離で示す法律がありませんので、具体的にはどこまで接近が許されるのかは状況によって異なります。
また、少なくとも被害者が目視で加害者と判別できる距離に接近すれば禁止令違反となるでしょう。

・家族への接近禁止令

被害者の子供や親、兄弟など、本人の親族に対する接近禁止令を出すことが可能です。
DV加害者は被害者の家族にも攻撃を加える事が多いので、接近禁止令を出してもらうなら、ぜひご家族も守ってもらう様にしましょう。

・電話などの連絡を禁止

接近を禁止して直接的な暴力を防ぐ以外に、言葉や文章による暴力を防ぐ目的として、電話やメールなどの連絡を禁止が可能です。

ただ、DV防止法による各禁止令は最大6ヶ月までしか効果がありません。
この期間を過ぎてもしもまだ接触を試みようとしてくるなら、再度同法律を使用するか、他の法律を使って接近や連絡を拒むと良いでしょう。

ストーカー規制法を活用する

DV防止法以外にも、ストーカー規制法違反によって保護命令を出してもらう事が可能です。

しかし、ストーカー規制法違反に問うためには、以下の条件を満たす必要があるでしょう。

・「ストーカー行為」とは

同一の者に対し「つきまとい等」を繰り返して行うことを「ストーカー行為」と規定して、罰則を設けています。

但し「つきまとい等」のア～エまでの行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われた場合に限ります。（ストーカー規制法より引用）

ア　つきまとい・待ち伏せ・押しかけ
イ　監視していると告げる行為
ウ　面会や交際の要求
エ　乱暴な言動
オ　無言電話、連続した電話・ファクシミリ・電子メール
カ　汚物などの送付
キ　名誉を傷つける
ク　性的しゅう恥心の侵害
（引用：警視庁「ストーカー規制法」）

対策にはDVやストーカー行為の証拠が必要になる

いずれの法律を利用し、加害者を近づけさせないためには、必ず法律に違反したことを示す証拠が必要になります。

ただ、その証拠は警察が積極的に集めてくれるものではありませんので、被害者自らが証拠を収集する必要があります。

【DV被害の証拠】

・ケガの写真や通院記録、診断書
・DV被害に関する相談を行った記録
・脅迫や言葉による暴力を録音したもの
・DV行為を録画したデータ

【ストーカー被害の証拠】

・つきまとい行為を記録した映像証拠
・いやがらせのメッセージ
・いやがらせの証拠物や状況を記録したデータ(写真や映像記録)

しかし、もしもDV被害やストーカー被害に関する証拠を収集が難しい様なら、証拠収集のプロである探偵を利用した方が確実かもしれません。

証拠が無ければ法律は利用できない

被害者を守ってくれる大切な法律も、被害に関する証拠が揃わなくては被害者を守ってくれません。
しかし、恐怖におびえる被害者が自分一人で冷静な対応をとることは難しいでしょう。

もしも離婚後にDV夫が再び姿を現せば、必ずと言って良いほど再び被害が始まってしまいますので、離婚前から各種禁止令の行使を訴えてください。

また、離婚後にストーカー化した元配偶者から身を守るためには、被害の証拠を確実に収集し、警察や専門機関に訴え出ましょう。