殺人事件は警察へ？探偵の仕事は本当に浮気調査ばかりなの？

小説、アニメ、ドラマ、映画など、探偵を職業とするキャラクターは至る所に居ます。

つまり、『探偵』という仕事を知らなくても、世界中の人が『探偵』というキャラクターは知っているということ。とりわけ『名探偵』となれば、知らない人を探す方が難しいぐらいでしょう。

では、実際の探偵は、フィクションの探偵とどれぐらい違うのか？
今回はそのあたりについて説明していこうと思います。

実際の探偵は殺人事件を解決出来る？

名探偵コナンやシャーロック・ホームズのように、殺人事件を華麗に解決し、見事真犯人を暴きだす・・・・！

まさにこれこそが名探偵の仕事なんですが、実際の所、探偵は殺人事件を解決するのでしょうか？

正解は、『まずそんな事はやらない』　です。

それはご存じの通り、日本の探偵は主に浮気調査や行方調査などを行っており、殺人事件の解決は警察の仕事と、完璧に住み分けられているからです。

しかし、これは現在の日本の話であって、アメリカだと大きく話は変わってきます。
アメリカの探偵は、社会的立場でいえば一般的な警察官よりも上の存在であり、犯罪者データーベースはもちろん、銃の保持、犯人の逮捕権など、様々な特権を許されています。

そのため、当然殺人事件に関わる事もあります。

また、探偵聡明期の18世紀から20世紀初頭ぐらいになると、まだ警察組織が貧弱だった事もあり、殺人犯はもとより、さらには巨大な組織犯罪などの解決にも探偵が活躍していた事があったのは事実です。

さらに、シャーロックホームズなどの初期の名探偵達の活躍は、かつての探偵達の活躍を元に描かれているので、あながち全てが嘘という訳でもないのです。

警察に協力を依頼される事がある？

結論から言えば、これまたありえない事です。
日本の警察がもしも捜査を民間人に依頼したとなればそれこそ大事ですし、それも探偵社に依頼するなんてことはまず考えられません。

が、これにも実は穴があって、こと日本以外では結構な頻度で警察が民間人に捜査協力を依頼しています。

とくに欧米では、民間の有識者に捜査協力を仰ぐのは当たり前で、場合によっては犯罪者に捜査をさせたりなど、とにかく『逮捕できれば何でもやる』スタイルが普通です。

そんな風潮があるせいか、アメリカでは有名な私立探偵ジェイ・ｊ・アームズ氏をはじめ、その調査の手腕を買われてＦＢＩに捜査協力をした人物が何人か居たりします。
また、ライセンス取得の問題上、元警察官の探偵が殆どであったりするため、警察組織とはかなり密接な関係があるようです。

探偵に推理力は必要？

探偵に推理力は必要かもしれません。

しかし、それは『殺人事件の犯人を見つける』といった類のものではなく、むしろ『先を予測する』という意味で必要になります。

例えば、行方調査を行う場合には、その人物がどの辺りに移動したのかを予測しなければなりませんし、得られた情報をもとに、行方不明者の後を追跡していく事も必要になってきます。

また、通常の尾行でも、常に相手の先を予想しながら行動しなければなりません。でないと、相手が突然車に乗ったり、建物中に入ってしまうと、その後見失ってしまう可能性が高いからです。

つまり、探偵に必要なのは『推理力』というよりは、むしろ『推測力』でしょう。

探偵は格闘技が必要？

ミステリーやハードボイルドに登場する探偵は、しばしば悪役と熾烈な格闘をし、大立ち回りを演じます。

では、実際の探偵はどうかというと、まず格闘シーンなんて起こりえません。
そもそも、探偵は秘密裏に調査する事が仕事であって、対象者を捉えたりすることは業務とは関係ないのです。

ただ、探偵社の中には警備業も兼ねている会社もあり、ストーカー対策などのために格闘技経験者を雇っている所もあります。

また、他国では犯罪者を相手に調査をする探偵が多数存在しており、その場合は国の定める基準に乗っ取り、拳銃の所持を許されている所もあります。

そのような国の探偵は、もちろん格闘技経験者が多いだけではなく、射撃の技術や護身術にはじまり、必要とされる肉体的スキルが山ほどあるため、中には元特殊部隊員の探偵という嘘みたいなケースもあるみたいです。

まとめ

これまでの事を踏まえて考えてみると、日本の探偵業というのは、フィクションとは大きくかけ離れているものの、それなりに安全で良かったなーと思う所が沢山あります（笑）

やっぱり、フィクションみたいなカッコイイ探偵の方が良いですが、命あってのものですからね・・・・
サラリーマン探偵といわれる日本の調査業界も、それなりに悪くないかもしれません。